てぃーだぱみの日記ブログ

精子提供が始まって半世紀以上がたつ今こそ、子供がどんな人生を送ったかを検証し、こうした医療を進めていいか、社会で考えてほしい
子供たちの人生はそこから始まる。
生殖医療は子供が生まれて終わりではない。
そうした「多様な家族」の中に精子、卵子提供も含まれる。だから、血縁で結ばれた「当たり前」の家族を装うために第三者の手を借りることには反対だという。
同性カップルが養子を持ったり、再婚により新たな親子関係ができたり。
娘に理解を示そうとする母の姿を見ると心が揺れる。
母子関係が元に戻ることはない。
石塚さんも「物心つく前から、『血はつながらなくても家族であり、あなたはここにいてよい』と教えてあげてほしい」と願う。精子提供について話をしないまま、石塚さんの父は亡くなった。
今回の卵子提供では、子供が幼いうちに事実を告知することになっている。
生殖技術を選んだ人や生まれた人を否定するのは違うと思うようになった。
転機となったのは、同じ匿名の精子提供で生まれた仲間との出会い。
大学院をやめて引きこもった。
親に対して否定的な感情を持ってしまう自分も嫌だった。
他人に話せば、父が無精子症だと知らせることになる。
仲が良かった母にずっと嘘をつかれていたことも悲しかった。
しかし「自分は、他人に話してはいけない後ろめたい技術によって生まれたのか」と衝撃を受けた。
精子提供者が誰かは知らせないし、子供に告知しなくてよい－。母は病院の言葉を守っていたのだろう。
「最初は父の病気が自分に遺伝していないことに安心した。でも次に不安や怒りでいっぱいになった」
大学院生だった２３歳の頃、父の遺伝性疾患をきっかけに自分が匿名の第三者の精子提供で生まれたことを母から知らされた。
東京都の会社員、石塚幸子さん（３７）は匿名第三者の卵子提供で国内初の子供が誕生したことについて、複雑な心境を明かす。
「生まれた子供にはその子の人生がある。社会の価値観が変わらないまま、第三者が関わる生殖医療が進むことには反対です」

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